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カンブレー同盟戦争 その7

 教皇ジュリオ2世の弾劾文が出た数日後、ヴェネツィア政府は
 元首と行政官の署名入りの告発文を提示した。それによると、
 教皇とフランス王に対して辛辣極まる長文の告発文の後には

 「今回の破門は不当なものであり、戒告状については将来の
 公会議に上訴する。また、人間による裁判が行なわれないの
 であれば神に上訴する」

 とある。全ての者の中で最も正しい裁判官であり、最高の君主
 である神に訴えてやるというのである。

 この時期、フランスの伝令官モンジオイアがヴェネツィアを訪れ
 既に始められた戦争の宣戦布告を行なっている。なぜ今更
 宣戦布告を行なった理由としては、この戦争は破門された異端
 者への懲罰が目的であって野心から行なわれたものではない
 と証明する他、フランスはいかなる犠牲を払おうとも戦闘を停止
 することは有り得ないという決意の表れだった。
 モンジオイアの宣言に対して多少協議がなされたが、元首は次
 のように答えている。

 「あなた方は我々に戦争を仕掛ける決意を下された。我々として
 はフランス王との同盟を破る意思は持ってない所かより一層友好
 を深めたいと思っていたこの時期にである。ならば我々は、自衛
 の為に懸命の努力するであろう。我々には正当な理由がある。
 したがって、我々の力で自衛できると考えている」

 元首の回答は、既に兵をもって攻撃を加えた彼等の不当性や抗
 議はしていない。それだけ一層共和国の威厳に従っているように
 思われる。

   フランチェスコ・グイッチャルディーニ著「イタリア史」より抜粋

   
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ガンブレーその1


 「2万人分の食料の調達ですか・・・・・・」

 メルギウスの依頼を聞いたアブラハムは白髪混じりの顎鬚
 を撫でながら目を瞬かせる。

 「頼む、お前しかできない事だ」

 収穫直前の小麦畑を焼き払われてしまったヴェネツィア軍は
 参謀のグリッティが自家用の倉庫を解放して軍に供与したり
 軍馬用の燕麦まで食べて飢えを凌いでいたが、傭兵達の不満
 は爆発寸前である。

 「出来ないことは無いでしょうが・・・相当費用掛かりますよ?」

 アブラハムは金の掛かることは難色を示す。部隊の装備につい
 ても質の良いものを手に入れるが金を掛けない。騎兵服でも
 同じ物を大量に仕入れるから質以上に安く済んでいるのだ。

 「それは心配しなくても良い。代金は共和国が出してくれるそ
 うだ。腕の見せ所だぞアブラハム・・・それと出来れば我々の分
 の食料も別口で調達できないか?」

 現在、我々も他の部隊の例に漏れず食料の配給を減らしている
 大飯喰らいの多い我々にはきついものだった。ゼノンに至っては
 「腹減った・・・・・メシ・・・クワセロ・・・」と呟きながら陣地内を歩き
 回っている姿がまるで迷宮を彷徨っているミノタウロスのようで
 あった。

 「分りました。それの購入金も一緒に組み込んでしまいます・・・
 元々調達するだけでも大変なのでこれ位の役得を得ても文句は
 言われませんでしょう」

 「・・・・・・まぁ、任せた。朗報を待っている」

 依頼を受けたアブラハムは友人のユダヤ人商人達と相談する。
 商人達を通じて3千人分の小麦と鶏500匹を掻き集めポンテヴ
 ィーゴ(青)の本隊に送る。久しぶりの肉食に兵達は歓喜した。
 同時に不満を逸らす事を出来た将官は安堵する。翌日には
 さらに5千人分の小麦と肉に葡萄酒100樽を集める。

 そして大量の食料を掻き集めるために誰も予想しなかった
 策を講じた。

 3日後の事、本陣の側にあるオーリオ川に数隻の輸送船が到
 着した。船倉には1隻だけでも数百人分は有ると予測できる量
 の小麦が満載されている。その後には小さな漁船が次から次
 へとやって来る。どの船にも食料が積み込まれていた。

 「アブラハム、一体どんな魔術を使って掻き集めたんだ?」

 輸送船から降りてきたアブラハムは髭を撫でながら答えた

 「難しいことではないです。この近辺で一番小麦を多く持って
 いる所から手に入れたまでですよ・・・」

 「そうか!マントヴァか」

 「何時の世の中にも自分の利益しか考えない人間が居ます
 ・・・まぁ私が言えた事ではありませんが。彼らが大量に手
 に入れた食料も時間が経てば腐りますし、あと一月もすれば
 小麦の収穫時を迎えて価格が下落します。そうなるくらいなら
 怪しいユダヤ人に売ってしまうほうがマシと考えたのでしょう」

 兵士達は満足に空腹を満たせる事に歓喜した。アブラハムも少
 なく無い額のマージンを手に入れて皆が満足である。
 ・・・・・暴利とも言える金額を請求された共和国を除いて

 ポンテヴィーゴに集結したヴェネツィア軍はフォンタネルラ(赤)に
 進軍する。その街はローディに程近くクレーマ(ピンク)クレモナ
 (緑)ベルガモ(紫)への救援にも向いやすい絶好の場所である。

 この時のヴェネツィア軍の兵力以下である
 重装騎兵 2000
 軽装騎兵 3000
 精鋭歩兵15000
  新兵  15000
 合計兵力35000

 対するフランス軍の兵力は
 重装騎士 2600
 スイス傭兵6000
 ガスコーニュ兵1万2千
 工兵隊  数不明
 さらに各地から雇われたイタリア傭兵が加わる
 合計兵力 約4万程
 
 この内、徴兵されたばかりの新兵は殆ど役に立たないとしても
 兵力的にはそれほど劣っては居なかったのである。それどころ
 か、各地の守備兵を掻き集めればフランス軍を超える兵力を揃
 える事は不可能ではなかった。だが、実際には教皇軍が動き出
 した時、それに対応する為に守備兵を動かすわけにはいかなか
 った。

 その教皇軍の司令官はジュリオ2世の甥のウルビーノ公フラン
 チェスコ・デッラ・ロヴェーレとアリドージ枢機卿に指揮を執らせた
 他に、傭兵隊長ジャンパオロ・バリオーニやロドヴィーゴ・ダッラ・
 ミランドラ等で総兵力は重装騎兵400、軽騎兵400、歩兵8千であ
 る。

 ロマーニャ地方に進軍する彼等を待ち受けるのはジャンパオロ・
 マンフローネと騎兵隊長ジョヴァンニ・グレゴである。兵力差は
 倍近くあるが、傭兵特有のサボタージュと無能なウルビーノ公
 に助けられ戦線を維持していた。

 一方、対ドイツ戦線を任せられたジローラモ・サヴォルニャンは
 新兵や寄せ集めの兵ばかりであったが、オーストリアはまだ
 軍の再編が終わってなく、時たま攻めてくる小規模な部隊を
 追い散らす程度であった。

 この状況をみた元老院はピティリアーノに命令を下す。
 それは、先に奪われたトレヴィーリオ(水色)を奪還せよとの事
 しかし、その策にダルヴィアーノは猛反発した。

 「敵と戦うなと言いつつ、他方、敵の本隊にこれほどまで
 接近するなど相容れない決断だ。もし敵軍が接近して来たら
 撤退など不可能だ。仮に撤退出来たとしても我々にとって
 得をした所など何一つ無い・・・このような命令に従うぐらいなら
 最初から何もしないほうがマシだ」

 その意見には内心ピティリアーノも同意していたが本国からの命
 令である以上従わなければならない。彼も半ば自棄になって軍
 を動かす命令を下す。

 5月7日、ヴェネツィア軍は近郊のリヴォルタを奪還する。フランス
 軍はその地に兵を配置していなかった。続いてトレヴィーリオの
 包囲に向う。トレヴィーリオはアッダ川から少し離れた街で、
 小高い丘に位置している。フランス軍はここに500にも満たない
 数の兵しか配置していない。大砲で砲撃を加え、城壁を破壊す
 ると中の兵は翌日降伏した。街は、住民の反乱の報復も兼ね
 て略奪に付される。

 だが、略奪命令を出したのは最大のミスであった。街が包囲
 されたと聞いたフランス王は全軍を持ってミラノを出立する。
 そして5月9日カッシアーノ(現カッサーノ・ダッタ)近くで船で
 造った橋を3本掛ける。フランス軍の動きに気が付いた司令官
 達はこのチャンスを逃すまいとしたが、兵士達は獲物を求めて
 奔走してた。このような混乱に命令や威嚇、果ては哀願をもって
 しても彼等を出撃させる事は出来なかった。

 ダルヴィアーノは兵を否応なく街から出す為に火を放つように
 命じた。しかし、兵が秩序を取り戻した頃にはフランス軍は橋を
 渡りきってしまっていた。彼らはヴェネツィア人の卑劣さと頭の
 無さをあざ笑っていた。そして、トリヴルツィオは叫ぶ

 「大いなるキリスト信者の王よ!(レ・クリスティアニッシモ)今日
 の勝利は我々のものとなろう」

 両軍はにらみ合ったまま宿営する。お互いの陣地の間は
 1kmの距離も無かった。






 追記
 小麦の収穫時期についてですが、秋に蒔いて初夏に収穫の
 冬小麦をさしています。春に植えた奴はまだ実も着いてなく
 軍馬の餌にする程度にしか使えません。

 軍馬の餌の燕麦についても一応人も食べれますので食料
 が少ない時や、飢饉の時は食べていました。ですが、余り
 一般的に食べる物では無かったようです。
 スコットランド嫌いイギリスの詩人サミュエル・ジョンソンは
 燕麦について辞書に

 燕麦 穀物の一種であり、イングランドでは馬を養い、スコット
 ランドでは人を養う

 と定義し、それを聞いたスコットランド人の弟子は

 それ故に、イングランドの馬は名高く、スコットランドは人材に
 置いて名高い

 とお返ししたそうです(Wikipediaより引用)


  次回へ続く


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